クレーム対応担当者は、『会社の看板』『会社の代表』『自分の対応がお客様の会社への評価になる』という意識を持つ必要はありません。

そもそも、企業のクレーム対応担当者は単なるクレーム対応受付者。

担当者がやるべき対応は会社の考えを伝えること。なぜならお客様の会社への評価は会社の対応が基準となるからです。

その基準というのは、製品の品質・サービスの品質・契約事項の品質が基本となるということ。つまりお客様の望む製品なのか、

サービスなのか、契約内容なのかが、消費者が企業に信頼度や好感度を高めるリソースとなります。

 

クレーム対応担当者は、会社が決めた契約内容を説明するのが役割だったり、会社が提示した対応をお客様に伝えるのが役割だったりするわけですから、

クレーム対応担当者が伝えた話しにお客様が満足しないとしたら、それは、『担当者の対応に満足していない』ということではなく

『会社の対応に満足していない』と言うことになります。

 

つまり、クレーム対応担当者は『会社の看板』でも『会社の代表』でもなく、まして『担当者の対応が、

お客様の会社への評価を決める』こともないのです。そんなに重大な任務を背負ったポジションではありません。

もしそれほど高い任務を期待されているポジションだとしたら、もっと高い『権限』を与えられるべきです。でもそんなこともありません。

 

クレーム対応担当者は、お客様の状況と言い分を情報として豊かに入手し、会社から具体的な対応方法の指示をもらい、

それをお客様に伝える。クレーム対応が終了したら、その問題に関わる担当部門に今回の情報を伝達する。

この流れを、社会人として問題のない態度で運んで行くことが仕事です。

 

このことが、お客様と会社の板挟みになることを避けることができるしなやかなクレーム担当者の姿だと言えるでしょう。