クレーム対応の際のクロージングのあたりで、自分の誠実さを強調するあまりつい、言いたくなるトークに『責任をもって対応いたします』
『再発防止に努めます』があります。しかし、このトークは、クレーム対応時にはNGのトークです。
なぜなら、真実ではないからです。
クレーム対応担当は、お客様と企業の間に立って、お客様に対して自分ができることをやり、会社としてできないことはできないとお客様に伝える係です。
つまり、製品や、サービスや契約内容の改良や改訂をする担当ではないはずです。
お客様の不満や指摘を基に、現存する製品や、サービスや契約内容を改良・改訂するのは、その専門部門が行うことです。
その前に、そうするかしないかを決めることから、専門部門に一任しなければなりません。
つまり、クレーム対応担当者には、再発防止を行うかどうかを決める権限はないのです。再発防止を自社に強制する権限のないクレーム対応担当者が「再発防止に努めます」と勝手に言うことは好ましいことではありません。
まして、自社に対応を強制する権限がないのだから『責任』も持っていない立場となります。『責任』は『権限』のある人に備わるものなのですから、
「権限」を持っていないクレーム対応担当者は、軽はずみに「責任」と言う言葉を使うことは差し控えましょう。
例えば、「責任を持って対応します」とお客様に言ったあと、必ずと言っていいほど「あなたは責任がとれるほど偉いの?肩書はなに?」
と言われることになります。
同じように「再発防止に努めます」とお客様に言ったあとに「どんなことを、いつするのですか?」と聞かれることになりかねません。
自分から、真実ではないトークを言ってお客様の苛立ちの地雷を踏むことはありません。
誠実そうに見せながら嘘ではないクロージングトークを言いたいのなら、「担当部門に、お客様のお話とお気持ちを必ず申し伝えます」
というと良いでしょう。