カスタマーハランスメント対策の実務策④

「消費生活センターに言う!」「ネットに書きこむ!」「弁護士を立てる!」と言われたら任せる

近頃は、企業の対応の是非がネットに書きこまれることを、企業としては、クレーム対応の中の1つの通過儀礼だと織り込んだ対応をすることが必要です。従来型だと「消費生活センターに言う!」「弁護士を立てる!」ですが、「ネットに書きこむ」もいら立ったお客様から言われる言葉です。

 

さて、この言葉を言われた時に、

    あなたの会社はどう対応することにしていますか?

    お客様と会話をしているあなたは、どのような返答をすることになっていますか?

    あなたはそのやり取りを最高、何往復することになっていますか?

    最高、何分間、このやり取りをすることになっていますか?   以上のことが決まっていますか?

まさか、「どうしよう。。。」「どう言って、阻止しよう。。。」「いくらのお金を出したら、いいんだろう。。。」とか

考えたりして、焦っていませんか?①~④のことは、どうするのかすでに決まっています。

 

    会社の対応――企業としてやるべきこと、言うべきことをしているのであれば怖がらなくても良い。あとは、

世間が判断してくれる。もし、企業に問題があるという世間の評価ならば、そこからの対応をしっかりと行えば良い。だから、お客様の「訴える」という気持ちを、止めることも、促すこともしない。

    担当の返答―「お客様のお気持にご無理を言うわけにもまいりませんので、お任せいたします」と言うこと。

    担当者のこのやり取りは最高、何回までかーーー3往復です。つまり辛抱をして3回は同じことを言うこと。

    担当者はこのやり取りを最高、何分間するかーー20分。つまり辛抱をして20分間位はこの暴言に付き合う。

 

つまり、「どうしよう」と思う必要はないのです。お客様の思うようにしてくだされば良いのです。消費生活センターが、ネット民が、弁護士が、どちらが理不尽なのかの声を上げてくれます。もし、思いもよらず企業の対応に問題があると言うことになった場合、言い訳をしたり、ごまかしたり、スルーをしたりしないで、そのことに対する対応をしっかりと行えば良いのです。

 

この中でも、今の時代、最も不安なのが、ネットに書き込まれることですね。ネットに書きこまれないために、日常の対応で気を配っておかなければならないことは、『お客様の心に残らない対応をすること』です。つまり『目立たない対応』です。悪い対応だと印象に残ることは当然ですが、良い対応だったと印象に残そうとすることもいけません。前者は、ネットにその企業の批判を書き込まれることになりますから、無関係な人たちにも、真実はどうであれ、その悪いイメージが届いてしまいます。後者は、消費者に甘い企業を探しているクレーマーに狙われるきっかけになります。

 

また、今の時代は、全員が同じ価値観ではないので、1つの状況に対して『良い』と言う人と『良くない』と言う人が共存します。ですから、批判的なことを書き込まれたからと言って、うろたえないことです。本当に企業が悪くなかったのか、悪かったのかを客観的に判断して、言葉を屈指して、手順を踏んだ説明の対応が必要となります。私が一貫してお伝えしているクレーム対応は、気持ちでやるものではなく『技術』で行うものだということに、より理解が高まったと思います。