カスタマーハランスメント対策の実務策⑤

今さらですが、『カスタマーハラスメント』に合わないように『国』や『社会』が守ってくれるのではありません。合わないようにするのは、企業です!

『カスタマーハラスメント』と言うキーワードが一般化しつつあり、「理不尽な態度の消費者や契約者を、企業が刑事や民事の土俵に乗せることもかまわない」という文化も浸透しつつあります。この講では、今さらですが、

『カスタマーハラスメント対策』の立ち位置について、企業の方に認識を正していただくための説明をします。

私の指導している企業の担当者たちからは『カスタマーハラスメントには、企業は訴えを起こしてもいいんですよね?』という声が聞こえてきます。

まず、『カスタマーハラスメント』というキーワードが言っていることは「こういう消費者や契約者の態度をカスタマーハラスメントということができる」と、理不尽な態度を具体的に並べたことで「カスタマーハラスメント」を具体的な認識につなげることをしています。『カスタマーハラスメント』そのものは、『カスタマーハラスメントに合わないようにすること』とではありません。むしろ、「カスタマーハラスメントに合ったら、こういう訴えができます」ということを最終的に明文化したものにすぎません。

よく考えれば「カスタマーハラスメント」に合ってしまったら、相手を警察に取り上げてもらったり、訴えたりすることができることは、今に、始まったことではありません。これまでも、幾度となく、企業は理不尽な態度をとる消費者・契約者を訴えることがありました。その結果、この当時者が『威力業務妨害』で起訴されたり『強要罪』や『脅迫罪』で起訴されてきました。

つまり、『カスタマーハラスメント』という近頃、始まった文化は、『カスタマーハラスメント』に合わないようにするためのノウハウではなく、「国」や「社会」が、「カスタマーハラスメント」に合ってしまい、抜けられない企業のため、担当者のための新たな文化の1つを作り始めたということです。

ですので、私がこの講で、クレーム対応の現場の方に気づいてほしいのは、『カスタマーハラスメント』に合わないようにすることは、企業にしかできない。『カスタマーハラスメント』に合ってしまったら、国の制度を使うことができ、その制度を使うことを社会が容認してくれる文化のことなんだと認識してほしいのです。

『カスタマーハラスメント法』のようなものはありません。相手を訴えるにしても、現存している「業務妨害」や「脅迫罪」や「強要罪」に落とし込むしかないということです。そして、それらの法律に落とし込むには、それなりの条件に則っているかの、状況分析などが行われるということ。その状況分析の中で、この相手(客)がそういう感情的な、または自分勝手な、または理不尽な態度をとったのには、企業や担当者が冗長したことではなかったのかが問われます。そのことにより、この相手(客)の態度が、それぞれの法律にあれはまるのかどうかが決まります。

 まとめますと、『カスタマーハラスメント』と言うキーワードは、『カスタマーハラスメント』に合わないようにするためのことではなく、『カスタマーハラスメント』に合って回避できない場合に、相手を訴える法律を認識するための概念なのです。だから、『カスタマーハラスメント』という文化が誕生したからと言って、『カスタマーハラスメント』に合わなくなるということではないことを企業は、しっかりと認識していください。

『カスタマーハラスメント』に合わないようにするためには、クレーム対応担当者の対応スキル(知識+手順+トーク)を使うしかないことを、改めて認識してください。


どうですか?一度、クレーム対応の極意について、きちんと学ぶ必要がありませんか?

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